私たちは、JA組織の一員として、奉仕の心を大切にし、保健、医療、福祉の事業を通じ、より良質な医療と温かな看護の実践につとめ、地域の暮らしに根ざした病院として、健康で生きがいのある社会の構築に寄与してまいります。
新型コロナウイルス(COVID-19)の世界的な蔓延により、令和2年度以降は日本経済も大きな低迷期を迎えましたが、5類への移行とともにこれまでの行動制限思考は徐々に薄れて街の人出は回復し、マスクを外して行き交う人も増える等、社会経済活動はコロナ禍からの正常化に向けて大きく舵を切りました。 日本経済は、雇用と所得環境の改善等を背景に、景気は緩やかな回復を見せていますが、その一方で、原材料高やエネルギー価格の上昇等に伴う物価高騰により、消費者マインドの改善には足踏みもみられ、依然として先行き不透明な状況が続いています。 農業情勢においても、世界的な穀物需要の増加やエネルギー・肥料原料の価格上昇、並びに為替相場の影響により、生産にかかわる経費が増加する一方で、国産農畜産物への価格転嫁は思うように進まない中、農業従事者の減少と高年齢化による担い手の減少が進む等、問題は山積しています。 このような中、本県JAグループにおいても例外なく、令和元年度に定めた「10年後の現実像」における到達水準について、策定時には予期できなかったこれらの外部環境の変化等の影響により、足元の実態には大きな乖離が生じています。令和7年度からのJA静岡3か年計画においては、「生産基盤」「経営基盤」「組織基盤」の強化を重点取り組みに位置付け、それぞれの基盤について「人」を起点に環境を整理し、対処すべき課題を設定した上で取り組むべき施策を実践することとしています。
本会では、JA組合員とその家族が健康を維持し、安心して農業に従事できるよう、診療機能の充実と医療サービスの質的向上に努め、地域から必要とされる病院づくりを目指しています。引き続きコロナ禍に制限を受けていた健康管理事業と高齢者福祉事業の充実に取り組むとともに、病気や子育て支援に対する相談や健康相談等を実施し、健康寿命の延伸に寄与できるよう事業を展開します。 本県JAグループ全体で取り組んでいる「持続可能な開発目標(SDGs)」についても、厚生連事業を通じて「すべての人々に健康と福祉を」や「住み続けられるまちづくりを」等を中心に、目標達成のために貢献できるよう取り組んでいきます。 医療情勢では、地域医療構想調整会議での病床数や病床機能のあり方に加えて、新興感染症への対応や医療従事者の働き方改革への対応を踏まえた2025プランに更新し、病院機能の将来構想の検討や見直しを進める一方で、令和6年度診療報酬改定では、政府が掲げる賃上げ政策への対応が色濃く、物価高騰に伴う各種費用の大幅な増加を補うための価格転嫁が実現していないことから病院経営は更なる苦境に立たされています。 本会では、この苦境を乗り越えるため厚生連経営改革委員会を立ち上げ、JA組織からの助言を頂きながら、対処すべき課題を整理し改善に向け取り組んでいます。短期と中長期の目標に分け、まずは短期目標として令和7年度の収支改善を最優先に取り組み、その上で、安定した病院運営の早期実現に向けて、抜本的な改革に取り組んでまいります。 また、本会の存在意義の理解を深めるために、役職員一人ひとりの意識改革を進め、活力ある組織づくりと経営管理機能強化を推進するとともに、JA組織の一員、公的医療機関の使命として良質な保健・医療・福祉サービスをJA組合員とその家族、及び地域住民に提供し、地域からの信頼と満足を得られる厚生事業の継続的な展開により、基本理念である「暮らしに根ざした病院」を目指します。
職員が仕事と子育てを両立させることができ、職員全体が働きやすい環境を整備することによって、全ての職員がその能力を十分に発揮できるようになるための行動計画書です。