私たちは、JA組織の一員として、奉仕の心を大切にし、保健、医療、福祉の事業を通じ、より良質な医療と温かな看護の実践につとめ、地域の暮らしに根ざした病院として、健康で生きがいのある社会の構築に寄与してまいります。
新型コロナウイルス(COVID-19)の世界的な蔓延により、令和2年度以降は日本経済も大きな低迷期を迎えましたが、5類への移行や水際対策の大幅な緩和を背景とするインバウンドの旅客需要の回復等により、社会経済活動はコロナ禍からの正常化に向け、大きく舵を切りました。 日本経済は、輸出型企業における円安効果も追い風となって需要が上向いており、国内企業収益も全体として高い水準で推移する等、持ち直しを見せていますが、その一方で、ロシア・ウクライナ情勢の長期化による世界的なエネルギー・食料価格の高騰や欧米各国の金融引締め等による世界的な景気後退懸念等、取り巻く環境には厳しさが増しています。 農業情勢については、生産資材価格の高騰が農業経営に大きな影響を及ぼす一方で国産農畜産物への価格転嫁は思うように進まず、従来から続く輸入農畜産物への依存と併せて生産基盤の弱体化に拍車をかける危機的な状況が続いています。 このような中、本県JAグループでは今後のJAとして成し遂げなければならない目標として掲げた「10年後の現実像」について、現行のJA静岡2か年計画においてもこれを堅持し、「農業の飛躍的な生産拡大」と「経営環境に対応した事業・経営の転換」の2つを重点課題の解決に向け、到達水準を変更せず、引き続きバックキャスティングの考え方に基づき取り組みを進めています。自然災害の激甚化、生産資材の高騰、JA組合員の高齢化や人口減少等、農業やJA経営を取り巻く環境変化に対応し、地域社会になくてはならない存在であり続けるために、JAの原点である農業振興と、環境変化に対応した経営基盤の確立を目指すこととしています。
本会では、JA組合員の健康を維持し、安心して農業に従事できるよう、診療機能の充実と医療サービスの質的向上等に努め、地域から必要とされる病院づくりを目指しています。また、コロナ禍からの正常化に向けて制限を受けていた健康管理事業と高齢者福祉事業の充実に取り組むとともに、病気や子育て支援に対する相談や健康相談等を実施し、健康寿命の延伸に寄与できるよう事業を展開しています。 本県JAグループ全体で取り組んでいる「持続可能な開発目標(SDGs)」についても、厚生連事業を通じて「すべての人々に健康と福祉を」や「住み続けられるまちづくりを」等を中心に、目標達成のために貢献できるよう取り組んでいきます。 医療情勢については、地域医療構想調整会議での病床数や病床機能のあり方に加えて、新興感染症への対応や医療従事者の働き方改革への対応を踏まえた2025プランに更新し、病院機能の将来構想の検討や見直しを進める中、令和6年度に施行される診療報酬・介護報酬改定では6年に1度の同時改定を迎えます。本会としては両報酬改定に適切に対応し、それぞれのニーズに沿った質の高いサービスの提供を目指すとともに数年間で激変した受療動向を踏まえ、コロナ禍からの正常化に向けた早期経営改善に取り組みます。 このような状況の中、本会の継続的な存在意義の理解を得るために、役職員一人ひとりの意識改革を進め、活力ある組織づくりと経営管理機能強化を推進し、JA組織や地域、行政に必要とされる事業を展開します。 また、JA組織の一員、公的医療機関の使命として良質な保健・医療・福祉サービスをJA組合員とその家族、及び地域住民に提供し、将来像としている地域からの信頼と満足を得る厚生事業の展開により、基本理念である「暮らしに根ざした病院」を目指します。
職員が仕事と子育てを両立させることができ、職員全体が働きやすい環境を整備することによって、全ての職員がその能力を十分に発揮できるようになるための行動計画書です。